英語長文の音読学習をしたいが、どんな教材を選べばいいのか分からない。
今回はこんな悩みを解説します。
この記事の内容
- 音読用教材の選び方
- おすすめの参考書4選
- 参考書の進め方使用例
多読用・音読用・読み方解説用など、英語長文だけでも参考書は様々な種類があります。
中には自分の得たい能力に合わせて使わないと、全く成果にならないことも…
今回は多々ある教材の中でも、英語学習の初~中盤で効果を発揮する、音読学習に適したものを紹介していきます。
この記事を読んでいただければ、どの教材にどんな特徴があるか、そして自分がどれを使うべきなのかがわかると思いますよ。
受験生の2人に1人が利用する圧倒的なわかりやすさ!まずは無料でお試し。
参考書選びの注意点
まず、科目や単元に限らない参考書を選ぶときの注意点ですが、自分に合う書籍というのは自分自身でしか判断できません。
その人が使うべきものというは
・現状のレベル
・目標のレベル
・残り時間(1日の使用時間、期限までの期間)
・執筆者の解説手法(先生との相性)
・本の構成や説明手法(書籍の特徴との相性)
などによって、大きく変わります。
そのため人が絶賛している本でも、人によっては相性が最悪なこともあります。
ネットや知り合いからの情報も一旦吸収すべきですが、あくまで使うかどうかは自分で判断する。これが参考書選びの鉄則です。
音読学習での到達点
もう1つ音読用教材を選ぶときの注意ですが、相性がよいのは共通テストレベル(昔のセンター試験レベル)までと考えてください。
それ以上の英文でも声に出すことは重要ですが、難度が上がるにつれて学習の中心は精読・設問対策に移っていき、音読は復習で行う1つの練習法となります。
練習であえて共通テスト以上のものを使うのは、効率が悪くなることが多いです。
まずは、単語・文法・音読の力で共通テスト8割突破を目指しましょう。
音読学習に適した参考書とは 5条件
「音読なんて英文があればできるのでは?」と思うかもしれませんが、下のような補助ツールが入っていると、より効果的な学習ができます。
教材選びのときには、参考にしてみてください。
①本文を構文解析したページがある
音読をするときには、英語全文が理解できることは前提です。
そのため、SVOCが振られていたり、句・節に記号を付けた構文解析があると、音読前の準備が非常に楽になります。
もちろん、1文に対してウンウン唸ることも大事ですが、それは精読練習になりますから、違う教材で行いましょう。
②語句リストがある
これも準備段階の話ですが、単語の意味調べの時間を極力減らしたいため、あると暗記も学習もはかどります。
リストがあったとしても、語彙レベルの高い文章は音読で苦労しますので、分からない単語が1パラグラフに2.3語程度のものを基準としてください。
③スラッシュリーディング用の英文がある
音読初心者には一番大事かもしれません。
返り読みをできるだけ避けて、前から訳し下しをする練習では一番活用します。
スラッシュごとの日本語訳がついていると、よりやりやすいです。
慣れれば無くても十分できますが、最初の1冊はできるだけ掲載されたものを使いましょう。
④英語白文+日本語訳が見開きである
本文には問題用の設問や空欄が入っているため、少し見づらいことがあります。
本文と別で、何も記述のない白文と日本語訳があると一番やりやすいです。
更にこれが別冊になっていると、本編を持たずとも音読トレーニングができますね。
⑤音源が付いている
CD・ダウンロードなど取得方法は違っても、音源が手に入らない音読用教材はないはずです。
使う場面は多々ありますので、基本準備するようにしましょう。
おすすめ教材シリーズ 4選
それでは、おすすめ教材をシリーズ単位で紹介していきます。
①『英語長文 ハイパートレーニング』シリーズ
基本情報
著者:安河内哲也
問数:全12問
音源:CD付き
他 :上の5条件を満たす唯一の存在
レベル
内容詳細
音読の練習に必要なツールを全て詰め込んだような問題集です。
全文を構文解析してある「徹底精読」と「語句リスト」があるため、独学でも疑問が残ることはほぼありません。
さらに
・スラッシュリーディング+日本語訳
・問題ページとは別の白文
もプラスで用意されているため、音読学習も非常にやりやすいです。
確かに難易度にブレが合ったり、長文としての解説は薄い面はありますが、音読用教材としてならば完璧な構成だと正直思います。
あまり音読学習に慣れていない人は、超基礎編から試してみてほしいですね。
注意点
・2020年に新課程版で「新々装版」として出版されていますが、中身は過去のものと変わっていません。
・標準編は、共通テストを超えている問題もややあります。3レベル構成で全てを抑えようとしているので、レベル設定にはやや無理があります。
・難関編は「志望校レベルの精読・長文演習をしている人が、音読訓練を取り入れたいときの復習用」という感じです。標準編までをこなしておけば大丈夫でしょう。
②『速読英単語・英熟語』シリーズ
基本情報
著者:風早寛
問数:約48~70問(書によって異なる)
音源:CD別売
他 :量で圧倒する昔からの定番書
レベル
内容詳細
名前は単語帳ですが、「語句解説がやたら詳しい速読用の教材」と言った方がいいでしょう。
単語帳サイズにも関わらず、50問を超える問題収録が大きな特徴です。標準編はなんと70問。
その分速読用のツールは、メインが見開きの日本語訳と単語の2つで少ないですが、音読演習に慣れているならば、むしろこれくらいでも丁度よいでしょう。
英文が難易度順に並んでいるのも他のシリーズに案外ない配慮であり、モチベーション維持にありがたいです。
また熟語帳を1冊やる時間がない人にとって、『速読英熟語』は音読+熟語のダブル練習材料になるため、非常に重宝しています。
注意点
・昔からの難点が、CDが3000円弱で別売なところです。それでも本腰を入れてやるならば、絶対セットで買っておくべきですね。
・語彙数は多くても250語程度です。長文対策は別と考えるべきでしょう。
・入門編は解説の薄さ、上級編は語彙の難しさから扱いがやや難しいです。音読用としては、標準編か熟語編を中心に考えてください。
③『英語長文 レベル別問題集』シリーズ
基本情報
著者:安河内哲也・大岩秀樹
問数:全12問(難関編のみ10問)
音源:CD付き(アプリでダウンロードも可)
他 :ハイパーシリーズのスマート版
レベル
内容詳細
またも安河内先生の本ですが、『ハイパートレーニング』シリーズのレベルを細かく分けて、解説をやや簡素にしたイメージです。1冊の値段も1000円切ります。
簡素と言っても構文解析や語句リスト、見開きの日本語訳などはあり、十分音読トレーニングに適しています。
6段階に分かれているので、冊子ごと・問題ごとのレベル差が少なく、自分の実力に合わせやすいのも特徴の1つです。
おすすめとしては「②と③」や「③と④」など、2レベル分を一気に終わらすのがいいと思います。
注意点
・①は簡単すぎ・⑥は難しすぎという点で、速読練習にはあまり向きません。一旦は④までこなしておけば十分でしょう。
・冊子に書いてある到達レベルは、やや上すぎと感じます。ハイパーシリーズと比較すると
レベル①<レベル②≦ハイパー基礎≦レベル③<レベル④≦ハイパー標準≦レベル⑤
という感覚です。
④『イチから鍛える英語長文』シリーズ
基本情報
著者:内川貴司・武藤一也
問数:全15問(700のみ14問)
音源:CD付き
他 :最近定番になった新参者
レベル
・Basic(赤)→高校入門~
・300(青)→共通テスト~
・500(緑)→~上位私大
・700(紫)→~上位私大
※レベルではなく語数で分けているため、掲載の英文レベルはかなり差があります。
内容詳細
速読用の音読ツールだけではなく、設問対策など長文読解練習も兼ね備えている問題集です。
設問もレベルが上がると、記述問題などの骨が折れるものも出てきます。
音読用の教材としては珍しく、解答根拠などの解説も充実しており、長文対策へとスムーズに繋げられるのが大きな特徴です。
注意点
・レベル順でないのが使いづらいという意見もあります。これは実践を意識した配慮だと思いますが、相性は人それぞれでしょう。
・構文解析は、全ての文にあるわけではありません。複雑な文にのみ掲載されています。
参考書おすすめ使用例
最後に紹介した書籍を、どのような順番で練習すべきか例を示しておきます。
安河内メソッド中心編
①英語長文ハイパートレーニング 超基礎編
②英語長文レベル別問題集 標準編
③英語長文レベル別問題集 中級編
④英語長文ハイパートレーニング 標準編
スタートラインは人によって変わると思いますが、ハイパートレーニング標準編までしっかりこなせれば、速読は相当自信がつくはずです。
速読英単語シリーズ中心編
①英語長文ハイパートレーニング 超基礎編
②速読英単語 標準編or速読英熟語
速読シリーズだけでもいいのですが、音読訓練を今までやっていないのであれば、1冊挟みたいところです。やはり①は初めの1冊としておすすめですね。
イチから鍛えるシリーズ中心編
①イチから鍛える英語長文300
②イチから鍛える英語長文500(700)
この書籍のコンセプトが気に入れば、このシリーズだけでもいいと思います。難易度順ではないので、レベルの高い問題は後に回してもいいかもしれません。
まとめ:まずは1冊目に集中
ここまで読んでいただきありがとうございました。
最後にこの記事のまとめです。
音読学習に適した参考書 5条件
①本文を構文解析したページがある
②語句リストがある
③スラッシュリーディング用の英文がある
④白文と日本語訳が見開きである
⑤音源が付いている
音読用おすすめ参考書4選
『英語長文ハイパートレーニング』シリーズ
『速読英単語・英熟語』シリーズ
『英語長文レベル別問題集』シリーズ
『イチから鍛える』シリーズ
どれも自信を持っておすすめできますし、何回も音読を繰り返すことで力がつくことは保証します。
まずは1ヵ月、今日から毎日30分音読をキーワードに頑張ってみてください。
-
【大学受験】英語の勉強方法・学習法 完全ロードマップ
大学受験にむけた英語の勉強法があやふやなので、最初から最後までどう勉強すべきか全体像を知りたい。 今回はこんな悩みを解決します。 この記事の内容 大学受験英語の全体像 英語学習法のまとめ ...
続きを見る
-
【大学受験】英語長文を速読する方法を具体的に解説します
・試験で制限時間以内に読み終わった試しがない。 ・速読と言われても、どう勉強するのか分からない。 今回はこんな悩みを解決します。 この記事の内容 速読とはどの ...
続きを見る
-
【大学受験】英語速読力強化 音読学習の具体的なやり方
音読が重要とは聞くけど、そもそも効果があるの? 具体的にどのように取り組めばいいの? 今回は悩みを解決します。 この記事の内容 音読の具体的な効果 4選 音読 ...
続きを見る