参考書を選ぶとき・使うときに気をつける点がよく分からない。
今回はこんな悩みを解決します。
この記事の内容
- 参考書・問題集の種類
- 参考書・問題集の選び方
- 参考書・問題集の使い方
大学受験用の参考書は少なくとも1冊数ヶ月は使うため、選択は非常に重要です。
時間を無駄にせず効率的に勉強をするためにも、ここでは全科目に通じる参考書の選び方についてお伝えします。
この記事を読んでいただければ、選ぶときの注意点や、基本的な使い方をマスターできますよ。
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目次
参考書・問題集の種類
まずは参考書の種類についてお話します。
そもそもですが、よくセットで使われる「参考書」と「問題集」にも少し違いがあります。
・参考書→説明中心で、概念理解を促進するための解説書(インプット学習)
・問題集→問題中心で、理解できているか確認するor更なる実践力をつけるための演習書(アウトプット学習)
もちろん両方の特徴が混ざった書籍もあるので、全ての明確に分けることができません。
ザックリとした基準と考えてください。
またこの2つの中でも、構成の仕方によって何種類かに分けられるので紹介します。
参考書①:解説講義型
・実況中継シリーズ
・名人の授業シリーズ
・面白いほどわかるシリーズ
などシリーズとして有名なものが多いですが、最近はこの形式がかなり増えてきました。
紙面に先生と生徒が登場しやり取りするなど、解説を講義口調にしていて、実際の授業を受けているような感覚で読むことができます。
初めて習う内容の学習や、苦手分野の対策などで活躍する書籍です。
参考書②:網羅型
・英文法 総合英語
・化学の新研究
・世界史図録 など
必要な知識を全てまとめている総合参考書で、体裁は教科書に近いですね。
英文法・歴史・化学など、概念理解と知識を求める重い科目では、こういった本が手元にあると学習効率が非常に上がります。
問題集①:網羅型
・Next Stage
・基礎からの数学(青チャート)
・重要問題集 など
一般的に問題集といったら、この類いでしょう。
網羅といっても「英語を全て網羅」となると無理があるので、科目によってまとめている範囲・レベルはかなり異なります。
受験で使用する科目では、何か1冊はお世話になると思います。
問題集②:ピンポイント型
・英作文のトレーニング
・分野別数学 標準問題精講 など
苦手分野や部分的な対策をしたいときに使います。
網羅型の問題集をやった後に、補助として使うことが多いです。
問題集③:1問1答形式型
・英語、古文単語帳
・社会 1問1答シリーズ
問題集かと言われると微妙なところですが、知識重視の科目・分野ではほぼ必須と言っていいでしょう。
基礎事項のまとめなので、他の問題集と比べてより完璧さを求められます。
以上5つに分けましたが、これで全てを括れるわけではありません。
ただ、分野や内容によってはこの形式を選んだ方がよいというものもありますので、参考にしてください。
参考書・問題集の選び方 5項目
参考書選びで注意すべき点は、以下の5項目です。
①使う目的を明確にする
②自分のレベルに合ったものを選ぶ
③目標のレベルから逆算する
④本屋で実際に見てみる
⑤構成や解説の仕方を比べる
順に解説していきます。
①使う目的を明確にする
「なぜこの参考書を使用するのか」
「使うことでどんな効果が得られるか」
など、まずは使用目的をはっきりさせることが大切です。
よくよく考えると、今持っている参考書で代用可能なことがありますし、そもそも必要無いということもあります。
「なぜこれを使うの?」という質問に、自分で答えられなければいけません。
「本屋で見てなんとなく良さそう」とか
「知り合いがおすすめしていたから」といった理由では、本来の目的からズレてしまうこともあるので注意してください。
②自分のレベルに合ったものを選ぶ
効率的な学習を進める上で、レベル設定は非常に重要です。使っている参考書を確認させてもらうと、うまくいっていない人は少し難しめの書籍を選んでいることが多いです。
気持ちはとても分かるのですが、今後を考えるとあまり効率はよくありません。
「自分のレベル」の基準としては「中身の50%はすでに分かるもの」が丁度良いです。
少し簡単すぎでは?と感じると思いますが、50%分かると自覚していても、その中にあやふやな知識があるはずです。
初めは無理をせず、小さなステップを重ねるよう心がけましょう。
③目標のレベルから逆算する
目標とする学力レベルや大学レベルの確認も必要です。
自分の学力には合っていても、単純に必要ないレベルまで手を付けていて、オーバーワークになっている人もよく見かけます。
もちろん上を目指して勉強するのは良いことなのですが、1冊の参考書だけで受験を乗り越えられるわけではありません。
取り組むとしても、分野ごとや科目ごとのバランスが崩れないよう注意しましょう。
④本屋で実際に見てみる
最近は本もネットで買うのが多くなりましたが、参考書だけは本屋で実際に見てほしいです。
近くに本屋がない人もいると思うので無理強いは出来ませんが、実際に手に取ると
・大きさ、厚さ、色使い、紙の質感の見た目
・解説の量、まとめ方、網羅性などの相性
など、PCの見本からでは判断できない点がたくさんあります。
店の方には少し迷惑かもしれませんが、買おうと思うものは最低15分その場で読んでみて、感覚的に合うかも確認してほしいです。
⑤構成や解説の仕方を比べる
参考書との相性は「書籍自体の構成」と「解説の仕方」に現れます。
「構成」には、参考書の種類で説明した形式の違いやレイアウトの違いなどがあります。
昔は文字がびっしり詰まっているのが普通でしたが、今はそれぞれに工夫があり見ていても面白いです。
「解説の仕方」は当然著者の考えが色濃く反映されており、合う合わないが出やすいです。
構成と解説の相性は本当に人によるので、できれば似たような参考書を比較して、どちらの説明が理解しやすいか検討してほしいですね。
参考書・問題集の使い方 4項目
続いて、使い方について解説します。
当たり前ですが、参考書は選んで持っているだけでは何も成果は出ません。
それをどう使いこなすかで大きく効果が変わります。
用途によって使い方は変わりやすいですが、ここでは共通して大事な要素をお伝えします。
①1冊を完璧に仕上げる
②1周目はスピードを重視する
③何周も繰り返す
④参考書にどんどん書き込む
①1冊を完璧に仕上げる
世の中にはたくさんの参考書が出版されていて、いざ始めてみても目移りしそうになります。
しかし自分が自信を持って選んだからには、まずは1冊を完璧にすることを最大の目標としてください。
今後1冊を仕上げたという功績が、大きな自信へとつながります。
そもそもの実力も付いてくる時期ですので、他に浮気することなく1つの道を究めてほしいです。
②1周目はスピードを重視する
新しく何かを始めようとするとき、重要なのは全体像を掴むことです。
1周目をこなすことで
・周回にどれくらい時間がかかるか
・どんなことを学習するのか
・どの分野に苦手意識があるか …
など、学習を進める上で大事なことを把握でき、2周目以降の負荷が大きく減っていきます。
あやふやな知識で進むのは不安だと思いますが、そもそも1周で完璧にできることはありません。
理解や知識定着の勝負は2周目からとし、1周目はスピード重視で一気に全体を見るものと考えてください。
③何周も繰り返す
参考書は繰り返すことで、大きな効果を発揮します。
理解度・完成度によって周回数は変わりますが、ある程度の基準は以下の通りと考えてください。
◆暗記中心の問題集:10周以上
対象:単語帳、1問1答 など
知識定着がメインの問題集は、もはやゴールがありません。
単語帳や1問1答は直前期まで何周もするものと考えてください。
◆基本的な参考書・問題集:5~6周
対象:ほとんどの参考書・問題集
基本的に、参考書・問題集は5周はやるものと考えてください。具体的には
1周目 :全体像の把握、できない問題の把握
2,3周目:1周目でできなかった解説を熟読
4,5周目:全体演習、細かい知識の確認
といった進め方がいいと思います。
現状の能力で理解度は大きく変わりますが、少なくとも2周で終わらせるといった考え方は捨ててほしいと思います。
◆思考力重視の演習:2~3周
対象:英国の長文読解、記述対策、数学・理科の思考力演習
このような思考力・応用力をつける書籍は、そこまで周回数はいりません。
知識をつけることが目的ではないので、覚えようとしないよう注意してください。
④参考書にどんどん書き込む
ときどき参考書をとてもキレイに使っている人がいますが、どんどん汚してほしいと思います。
付箋やマーカーで目立たせるのもいいですが、一番いいのは自分の言葉で書き込むことです。
・疑問に思ったことや感じたこと
・自分の言葉でまとめ直す
・載っていない項目・説明の追加
など内容は何でもいいですが、書き込みをすることで考えや情報がまとまり、頭の中も整理されていきます。
自分が使ってきた跡を残して、世界で1冊しかないオリジナルの参考書を作りましょう。
まとめ
ここまで読んでいただきありがとうございました。
最後にこの記事のまとめです。
参考書/問題集の種類
・参考書→解説講義型、網羅型
・問題集→網羅型、ピンポイント型、1問1答型
参考書/問題集の選び方 5項目
・使う目的を明確にする
・自分のレベルに合ったものを選ぶ
・目標のレベルから逆算する
・本屋で実際に比較する
・構成や解説の仕方を比べる
参考書/問題集の使い方 4項目
・1冊を完璧に仕上げる
・1周目はスピードを重視する
・何周も繰り返す
・参考書にどんどん書き込む
「参考書について」を学んでいても学力は上がりませんが、それでもスタートダッシュを切るためには大事な知識です。
この記事を参考にして、自分の最高のお供を見つけてほしいと思います。
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