前の記事では、英文法がなぜ必要なのかについて書かせてもらいました。
今回は、具体的な学習方法についてお話しようと思います。
・文法の勉強を始めたいが、どのようにやればいいのか分からない…
こんな悩みを持つ人は、この記事を読むことで方法論が分かると思いますよ!
一緒に頑張りましょう!
目次
英文法の学習法
「英文法の勉強って何をしていますか?」
こう質問をすると、90%の人はこんな答えです。
中学・高校生→学校でもらった問題集やっています。
大学・社会人→とりあえず市販の問題集やっています。
もちろんこれで伸びる人もいると思いますが、基礎が定着していない人が問題演習をやっても100%力は付きません!
「とりあえずネクステ」になっていないか
特に高校生の場合、学校から分厚い問題集(『Vintage、up grade』など)をことが多いです。
そして先生が「これを完璧すれば英文法は大丈夫!」と言うものですから、「英文法の学習=この問題集をこなすこと」となっていくわけです。
ちなみに、今では様々な種類がありますが、昔は『Next Stage』という本一択だったので、皮肉を込めた業界用語で「とりあえずネクステ」という言葉が生まれました笑。
この最大の問題点は、いきなりアウトプット用の問題集からガッツリやっていることです。
もちろん授業や独学でインプットが済んでいる人には問題ないのですが、英語が苦手な人にとっては、問題集を暗記するという最悪の勉強に発展しやすいんです。
学習の順序は、①概念理解→②問題演習
英文法の学習は、思考科目の学習法と同様で「概念理解→問題演習」のサイクルが重要です。
演習とは、理解できているかをチェックするための確認作業です。
問題演習を中心に学習するというのは、本来非常に効率の悪い学習法です。
そもそも英語が苦手という人は、授業内容を理解しきれていない人(言いづらいですが、授業の質がよくないということもあり)がほとんどでしょうから、しっかりとインプット学習を意識する必要があります。
学習1:概念理解
では、英文法の概念理解の学習について説明します。
まず、一番大事なことは「丸暗記」から離れることです。
もちろん、言語は全て法則通りではないので「暗記」すべき項目もあります。
しかし、理解して納得できるところも「丸暗記」して進む価値は全くありません。
英語は日本語に比べても論理的な言語であり、説明可能な項目が多くあります。
少し多いですが学習方法を8つにまとめたので、是非最後まで読んでください。
①できれば学校の授業を活用する
もちろん学校に通っている人限定です。
「それができないから苦労しているんだ!」と言われそうですが、1日でかなり時間を取られるものですから、使えるものは使うべきです。
ただ文法の学習の中心にできるかは
学習の難易度、自身の得意苦手意識、授業スピード・構成、先生との相性…
などの要因から考えることで、逆に効率が悪いこともあります。
自分に合っていない勉強をしても仕方ないですから、厳しいなら無理せず②のようにもう一つ軸を作ります。
②「総合英語」の活用が大きなカギ
独学で概念理解を行う人で、核となるのは総合英語の活用です。
初学者が英文法の学ぶために必要な知識を、過不足なく分かりやすく解説しています。
どれも500ページ前後あり分厚めですが、文面は中学高校生でも理解できるように作られています。
例でいうと
などですね。Amazonなどで「総合英語」と検索するとたくさん出てきます。
学習効果にあまり違いはないので、これを選ぶべきというのはありません。書店などで実際に中身を見て、これなら続けられそうだと思うものを選んでください。
どんな学習者も手元に1冊は置き、英文法のお供にしてほしい書籍ですね。
③総合英語の使い方
一番よい勉強法は
「1章分、総合英語を読む⇒同項目の問題演習をする」というように、章ずつ理解と演習を行ってやり方です。
重要だと感じる部分にマーカーをするなどはやってもいいですが、別のノートにまとめ直す等は、時間がかかるのでしなくて大丈夫です。
1周するだけでもかなり変わると思いますが、最低3周はこなすようにしましょう。
その後は苦手項目や暗記が必要な分野など、一部内容を繰り返す形となります。
ここが文法攻略の肝です。頑張りましょう!
④暗記と理解を仕分ける
総合英語の読み込みの時に大事な思考は「どこまでが理解分野で、どこからが暗記なのかを分ける」ことです。
例えば「なぜ動名詞が~ingという形をとるのか」は、覚えるべきことです。
これを説明するには、英米文学の歴史まで知識が必要となります。
しかし「なぜこの動詞に後ろが~ingになるのか」は、説明できることが多いです。
もちろん書籍上もここは理解、ここは暗記と説明してくれています。
ただ自分でも意識を持つことで、今後の学習の仕方にも大きく影響していきます。
⑤「講義系参考書」の活用もあり
総合英語のような分厚い本に抵抗がある…という人は
「講義系参考書」を使用してもいいでしょう。
文面が語り口調となっており、模擬授業を受けているような感覚で学習ができます。
有名な書籍だと
・語学春秋社の「実況中継シリーズ」
・東進ブックスの「名人の授業シリーズ」
があります。
中学レベルから不安がある、ゼロから鍛えたい…という人は
東進ブックスの『大岩のいちばんはじめの英文法【超基礎文法編】』
は復習にかなりおすすめです。
通読には1週間もかからないと思うので、自信がある人も確認として読んでみるといいと思います。
⑦例文暗記は効果の高い学習
「例文暗唱はやるべきですか?」という質問をよく受けます。
結論を言えば、序盤から無理に取り入れる必要はありません。
質の高い例文を使えば、確かに学習効果は高いのですが、やはり時間と根気が必要な勉強法です。
序盤は総合英語の読み込みに集中して、学習の後半に時間の余裕が出てきたら入れてもいいでしょう。
⑧書籍が厳しければ予備校・映像学習も利用
「本で理解系の学習がどうしても進まない…」
と言う場合には、思い切って予備校やスクールを頼るのもありでしょう。
一番のメリットは、空間としての学習環境や担当のスタッフなどがつくことで、集中力を維持しやすい点です。
質の高い情報を持っていること大きいです。これをやれば大丈夫ということを、データを元に説明してくれるので、安心して勉強に取り組むことができます。
また最近では、映像学習も良いものが多くなりました。
ちょっとこれは…と感じるものもありますが、比較的名前の聞くシステムであれば大丈夫でしょう。
以上、ざっくり言えば「総合英語を使って理解中心の学習をする」というのが伝えたい事です。
学習2:問題演習
問題演習の勉強は、概念理解がしっかりできていればそれほど難しい学習ではありません。
すでに説明した通り、演習の目的は理解が伴っているのかを確認する作業です。
学習の序盤から演習中心にはならないよう注意しましょう。
書籍の種類としては、分野別演習書と実践演習書に分けることができるので、順に説明します。
分野別演習書とは
皆さんがよく知っている問題集の形は、こちらだと思います。
1章:時制、2章:助動詞、3章:関係詞…
のように、英文法の項目別に並んでいるものですね。
すでに英文法の勉強が一通り済んでいる人は、確認として一気に1周するのもいいですが、できる人が限られていると思います。
概念理解の③でもお話した通り、授業や総合英語などの本と並行するのが一番効果が高い方法です。
分野別演習書の使い方
総合英語と同様、演習書も最低3周は必要です。
基本、間違えた問題を全部つぶすまでやると考えましょう。
大事なことは、「問題の答えを覚える」のではなく「問題の解き方」が分かることです。
例えば4択問題ならば、
「なぜ①が正解で、②~④が不正解なのか説明ができるか」
ということです。
・何となく覚えがあるからと記憶に頼っていたり
・不定詞の章だからto do~の答えを選んだり
・そもそも問題の答えを覚えていたり
などでは、その問題は解けても応用が利きません。
他の人に説明ができるレベルまで、理解度も高めるようにしましょう。
実践演習書とは
実践演習書には何種類かあり
・ランダム演習書
・整序問題演習書
・正誤問題演習書
などがあります。要は実際の試験に近い形の問題演習ですね。
本番では、文法の項目ごとに出題されることは当然ありません。
そのため分野別演習がある程度出来てきたら、ランダムに配置された形に対応できるようにさらに演習を積みます。
今のおすすめは
『英文法・語法良問500+4技能』シリーズです。
問題数が500問と手頃で、問題レベルや解説も確認として丁度良いです。
上の3種類全てでているので、自分に合ったものを選びましょう。
まとめ:基礎力完成までもう一歩!
今回は、英文法の具体的な学習方法についてお伝えしました。
・概念理解→問題演習 の流れを意識
・「総合英語」を勉強に取り入れる
・それぞれ最低3周は繰り返す
・最後に実践演習書で仕上げ
などをポイントとしてあげています。
もちろん短期的に効果が出るものではありません。
しかし単語と共に1周2周と繰り返していくうちに、文法だけではなく英語力全体が上がっていくのを実感できるはずです!
是非日々の学習に取り入れてみてください!